「エロマンガ先生」五話のオタクが走るカットについて考える
※ぼくは世界史を本当にかじった程度でしか知らないので誤った記述を含む可能性があります。
「今日も疲れたな~~~」
帰り道で一杯ビールをひっかけて気分が良くなったぼく。帰宅してから録画リストを見て観るアニメを決めます。
「エロマンガ先生で知能2にして寝るか~~~~~~」
再生。
「紗霧ちゃんかわい~~~」
「山田エルフ先生のぱんつってどんな味がするのかな~~~~」
ん?
「このカットなんだ?????」
そうです、途中で何度か挟まれる太った男性が土手を走るカットのことです。皆さんも気になったかと思います。ぼくは気になりすぎてずっとそのことを考えていたら寝られなくなりました*1。
あの男性はダイエットをしているのか?
なぜ最後に倒れるのか?
一体何のメッセージがあるのか?
彼はマラソンでもしているのか?
……ん、マラソン?
マラトンの戦い
さて、「マラソン」という言葉の語源についてはそこそこ有名なので知っている人も多いかと思います。紀元前490年、当時オリエント世界を統一し圧倒的な勢力を誇っていたアケメネス朝ペルシアは「王の道」整備で知られるダレイオス一世の指揮のもと、ギリシア制服を目論み、イオニアで起きたペルシアに対する反乱へのアテナイ(アテネ)の加担を口実に攻め立てます。しかしアテナイとアテナイに加担したプラタイアはこれを返り討ちにし勢力を拡大させます。アテナイ側の勝利に終わったこの戦いがマラトンの戦いです。
このマラトンの戦いの勝利を報告するため、ある歩兵がマラトンからアテナイまでのおよそ40 kmを駆け抜け、「我ら勝てり」と伝え絶命したとヘロドトスの「歴史」には書いてあり、これがマラソンの起源だとされます。*2*3*4
エロマンガ先生とマラトンの戦い
さて、話が相当脇道にそれましたが、僕は世界史の話をしたくて筆を執ったわけではありません。エロマンガ先生の話がしたかったのです。*5
エロマンガ先生五話の土手を走る太った男性(長いので「オタク」と呼びます)、このオタクの走るカットが五話の途中で何度か挟まれます。そして主人公の和泉マサムネが紗霧ちゃんの描いた絵を見て
「これからもよろしく頼むぜ、エロマンガ先生」
「そんな名前の人知らない」
という いつもの茶番 圧倒的名シーン の後、このオタクの最後のカットが挟まれます。このカットに今までと異なる点が存在します。
そう、勘のいいみなさんならもうお気づきでしょう。
このオタク、倒れるんです。
これはマラトンの戦いの勝利を伝えた歩兵そのものなのでゎ!?!?!?!?!?
では、彼は一体誰の勝利を伝えるためあんなに必死になって走っていたのでしょう?
それを考えるうえで重要になるのが彼の外見です。
彼はオタクです。360度どの角度から見てもオタクです。可哀想。
そんなオタクの濃縮還元ジュースみたいな見た目の彼が伝える勝利、それはオタクの勝利に他なりません。そう、それは視聴者の勝利です。そしてオタクである視聴者が最も感情移入するであろう和泉マサムネの勝利なのです*6。そう、エロマンガ先生が妹であると気付いてから初めての共同作業、その企画書を書き上げる一歩目を踏み出すことができた、その「勝利」なのです。
長々と書いてきましたが、最後にぼくがこの記事で最も伝えたかったこの言葉と共に〆させていただきます。
今期覇権はロクでなし魔術講師と禁忌経典!